こんにゃく雑学

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こんにゃくは植物

こんにゃくの原産地はインドシナ半島と言われています。もともとこんにゃくはサトイモ科に属する多年生の草本で、地下に球茎ができます。この部分がこんにゃく芋で、これを一般に「こんにゃく玉」と呼んでいます。
こんにゃくの花は、あまり知られていませんが赤くて細長く、独特の形をしています。 欧米では”悪魔の舌(devil's tongue)”と呼ばれて食用にされず、日本独特の食べ物として育ったようです。

こんにゃくの歴史

日本への渡来説はまちまちですが、もともと薬効のある食品として中国から持ち込まれ、仏教伝来と深いつながりがあるといわれています。

平安時代:こんにゃくが日本の庶民の間で食べ始められたと言われています。
室町時代:都の路上でこんにゃくを売る姿が見られるほどになり、精進料理にも使われて、ますます普及するようになります。
江戸時代:こんにゃく玉を粉にする製法が水戸藩の農民から考え出されました。
明治時代:文明開化とともに牛鍋(すき焼き)が大流行するようになり、こんにゃくが大いに活躍するこになりました。

こんにゃくの効用

中国では、おでき、ガン(甲状腺腫、リンパ腫)、火傷、消渇(のどの乾き、乏尿)などに効果があるとされていました。 日本では、東京小石川の「こんにゃく閻魔」にお参りすると目の病気が治るとされ、今でも人々の信仰を集めています。
その他、こんにゃくは以下のような効用があると言われています。

肥満の予防・便秘解消
こんにゃくは100gにつき5kcalの熱量をもつとされる非常にローカロリーの食品です。 こんにゃくにはグルコマンナンという成分が豊富に含まれています。グルコマンナンとは、こんにゃくに含まれている水溶性食物繊維のことで、この食物繊維は人体に含まれる消化酵素では分解されないために直接腸に届きます。このため、腸内において善玉菌の餌となって腸内のバランスを整え、腸の運動を活発にし、同時に体内の有毒なものを排出します。 そのため、こんにゃくは昔から「おなかの砂おろし」と言われています。
その他、グルコマンナンは小腸からのコレステロールの吸収を阻害する等、コレステロールを正常に保つ働きを助けます。 小腸上部においてはブドウ糖の急激な吸収を抑える効果があり、インシュリン分泌を節約するため、糖尿病の予防にも有効とされています。
コレステロールが気になる方は、毎日の食卓にこんにゃく料理を付け加えるといいでしょう。
心臓とこんにゃく?
実験的にグルコマンナンを1日3g摂取すると、心臓病の危険因子である血中のコレステロールと中性脂肪が、4週間できれいに低下したという実験報告があります。 食用こんにゃくには、その力が弱いと言われていますが(製造の工程で水に溶ける性質が溶けない性質に変わったためと推定されています。)、血中脂質を抑制する作用が、食事テストでみとめられているようです。 グルコマンナンは高血圧のほか、糖尿病、大中ガン、肝臓ガンを抑制する作用が知られていますし、毒物の作用を緩和したり、対外に排出する効果もあります。
貴重なカルシウム源
現代の日本人はカルシウムが欠乏していると言われています。糸こんにゃく1個食べると一日に必要なカルシウム量の1/6〜1/4を補給できます。 しかも、こんにゃくのカルシウムは胃酸で容易に可溶化し、吸収効率の高さからいって牛乳に匹敵する食品です。

こんにゃく製品の標準成分

(五訂日本標準食品分析表から)

100g中こんにゃくしらたき
カロリー(暫定)kcal56
水分(g)97.396.0
蛋白質(g)0.10.2
脂質(g)00
炭水化物(g)2.33.0
灰分(g)0.30.3
ナトリウム(mg)1010
カリウム(mg)6022
カルシウム(mg)4375
マグネシウム(mg)3-
リン(mg)510
鉄(mg)0.40.6
亜鉛(μg)7.0-
銅(μg)2.8-
ビタミンA,D,E,K,B1,B2,B12,C,ナイアシン,パントテン酸(mg)0又はφ0又はφ
ビタミンB6(mg)--
葉酸(mg)--
脂肪酸(g)--
食物繊維総量(g)2.23.0

日本こんにゃく協会発行「蒟蒻新聞」より

こんにゃくの作り方

こんにゃくの原料(精粉)は、不純物が混じらず、グルコマンナンが変質せず、しかも糊力のある粉に仕上げるに、「この道何十年」といわれる高度な技術が必要になると言われています。 この精粉に適量の水を加え、良く練ってから凝固剤を加えて整形箱に入れて固め、最後に熱湯でアク抜きをすれば、こんにゃくのできあがりです。
昔は、この作業を全て手作業で行っていましたが、今は殆ど製造機械でつくることができます。上州屋のこんにゃく製造工程をどうぞご覧ください。

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